ラブ・ジェネレーション
9.高橋翔琉の秘密
一週間の新婚旅行から帰り、お土産を渡すついでに実家に顔を出した、
お母さんは、私の手がかからなくなった事もあり、夜の仕事を辞めて今は昼間のコンビニでバイトをしている。
最近は、気持ち的にも楽になったのか、表情から剣が取れていつも穏やかな顔をするようになった。
そう思うと、私のためにずっと気を張っていたのが申し訳なけなく感じていた。
「結衣、楽しかった?」
私の好きなレモンティーを淹れてくれたお母さんは、テーブルの上に両肘をついて顎を乗せ、旅行の話が聞きたくてウズウズしている、
「楽しいというよりは、ハラハラどきどき、スリル満点って感じ」
「どうして、何があったの?」
キャンピングカーに始まり、ガス欠寸前になり、大自然の中で素っ裸になってシャワーを浴び、どんでん返しの最後の超豪華なホテルまで一部始終を話し終えると、
お母さんの目に涙が、、
あっと、皆さん誤解しないで、感動のとかじゃないですから、笑いすぎてどうにも止まらなかったみたい。
「あはははッ、面白いね翔琉くん、良かったじゃない、いい旅行だったね」
素直な気持ちなのだろう、本当に嬉しそうに喜んでくれた、
「話を聞くだけならね、当事者はたまったもんじゃないよ」
「あっははは、、」
お母さんが喜ぶ姿を見ると私まで嬉しくなる、
「ねえ、お母さん」
もう一つ、話してない出来事がある、ラジオから流れたあのメロディーだ、
「お母さん、ペンダントって曲知ってる?」
「……知ってるよ」
驚いた表情も見せず、考える間も無くそう答えると、お母さんは俯き黙り込んだ、、
その反応が全てを物語っていた、間違いない、