私のウソは恋をする
プロローグ
リップ音がドアの隙間から聞こえる
余裕のない女の子の声が中から聞こえる
興味本位で覗いたあのドアの先を
私は忘れることができないくらい覚えている
私の名前は安本和奏
そして視線の先にいるのは妹の愛花
と私の彼氏である 森 利久。
お分かりの通り浮気現場を目のあたりにしている
角度を変えながら深いキスを楽しむ二人をドアの隙間から
見ることしかできない