【電子書籍化】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
シュトラウスの唇が、フレデリカの手の甲に触れる。
そっと唇を離すと、膝をついたままフレデリカと目線を合わせ、こう宣言する。
「このシュトラウス、生涯あなたをお守りし、国の発展に尽くすことを誓います」
彼の真剣な瞳や会場の雰囲気にあてられて、まだ幼いフレデリカはぽうっとしてしまう。
そんな彼女にだけ聞こえる声で、シュトラウスは優しく先を促す。
「ほら、フリッカ」
「ふ、フレデリカ・リエルタは、シュトラウス・ストレザンを婚約者としてみとめ、ともに国に尽くすことをちかいます」
覚えた言葉をそのまま口にしているだけの、あどけない誓い。
フレデリカはまだ、この儀式も、口にした言葉も、婚約そのものの意味も、よく理解できていないだろう。
それでも、二人の婚約は成立した。
5歳の王女と、12歳の公爵令息。
まだ年若い彼らが、この婚約を自分の意思で決めたはずもなく。
紛れもない、政略結婚であった。
そっと唇を離すと、膝をついたままフレデリカと目線を合わせ、こう宣言する。
「このシュトラウス、生涯あなたをお守りし、国の発展に尽くすことを誓います」
彼の真剣な瞳や会場の雰囲気にあてられて、まだ幼いフレデリカはぽうっとしてしまう。
そんな彼女にだけ聞こえる声で、シュトラウスは優しく先を促す。
「ほら、フリッカ」
「ふ、フレデリカ・リエルタは、シュトラウス・ストレザンを婚約者としてみとめ、ともに国に尽くすことをちかいます」
覚えた言葉をそのまま口にしているだけの、あどけない誓い。
フレデリカはまだ、この儀式も、口にした言葉も、婚約そのものの意味も、よく理解できていないだろう。
それでも、二人の婚約は成立した。
5歳の王女と、12歳の公爵令息。
まだ年若い彼らが、この婚約を自分の意思で決めたはずもなく。
紛れもない、政略結婚であった。