【電子書籍化】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
「私のことを妹だって言ってるのを、聞いてしまって。そのあと、あなたが他の女性とキスをしている場面も見た。危ない目に遭っても、やっぱりあなたはそっけなくて……。好きでい続けることがつらくなって、他の人を好きになろうと思った」
静かに紡がれる言葉を、シュトラウスは黙って聞いていた。
「……でもね、ダメみたい。私の心は、もうとっくにあなたのものになっていたの」
フレデリカがそっとシュトラウスから離れ、彼の瞳をじっと見つめた。
「私は、あなただけを求めてる。たとえあなたが、私を見ていないとしても」
フレデリカは、まっすぐにシュトラウスを見つめながら、悲し気に微笑んだ。
その表情には、自分の想いは届かないのだという諦めが滲んでいた。
フレデリカの悲しい笑顔を前に、シュトラウスは、己の行いは、考えは、間違いだったのだと理解する。
フレデリカに、こんな顔をさせたいわけではなかった。
彼女に笑っていて欲しい、守りたいと、ずっと思っていたはずなのに――。
「……ごめん。フリッカ。俺は……。身勝手な決意に固執して、きみ自身を見ようとしていなかった」
「……シュウ?」
「聞いてくれるか? フリッカ。子供の頃に決めたことにいつまでも縛られて、きみにそんな顔をさせた、愚かな男の話を」
静かに紡がれる言葉を、シュトラウスは黙って聞いていた。
「……でもね、ダメみたい。私の心は、もうとっくにあなたのものになっていたの」
フレデリカがそっとシュトラウスから離れ、彼の瞳をじっと見つめた。
「私は、あなただけを求めてる。たとえあなたが、私を見ていないとしても」
フレデリカは、まっすぐにシュトラウスを見つめながら、悲し気に微笑んだ。
その表情には、自分の想いは届かないのだという諦めが滲んでいた。
フレデリカの悲しい笑顔を前に、シュトラウスは、己の行いは、考えは、間違いだったのだと理解する。
フレデリカに、こんな顔をさせたいわけではなかった。
彼女に笑っていて欲しい、守りたいと、ずっと思っていたはずなのに――。
「……ごめん。フリッカ。俺は……。身勝手な決意に固執して、きみ自身を見ようとしていなかった」
「……シュウ?」
「聞いてくれるか? フリッカ。子供の頃に決めたことにいつまでも縛られて、きみにそんな顔をさせた、愚かな男の話を」