【電子書籍化】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
4章
唇同士が触れ合ったあとも、髪に、額に、頬に、シュトラウスからキスの雨が降り続ける。
いつまでも終わらないようにも思えるそれが、くすぐったくて、嬉しいけど恥ずかしくて。
「あ、あの、シュウ?」
やめて欲しいわけではないが、フレデリカはついに声をあげた。
長いこと婚約者をやってきたが、こんなこと、これまでに一度もなかったのだ。
たしかにちゃんと愛してとは言ったが、あまりの変わりように、フレデリカが戸惑ってしまうのも無理はない。
フレデリカの声を聞き、シュトラウスも一度は動きをとめたのだが――
「フリッカ。俺はもう、逃げないと決めたんだ」
はっきりとした口調でそう言うと、フレデリカの手を取って、やはりキスを落とした。
「ひえ……」
シュトラウスはもう逃げない。遠慮しない。存分にフレデリカを愛する。
年上婚約者の本気を前に、フレデリカは顔を赤く染め上げた。
嬉しい。とても嬉しいけれど、年下の女性で、触れ合いにも不慣れなフレデリカはもういっぱいいっぱいだ。
今にも湯気が出そうなフレデリカが可哀相になってきたのか、シュトラウスはしゅんと眉を下げる。
「もう少し、控えたほうがいいか?」
「……いえ、だいじょうぶ、です」
「……もしもこの先、やりすぎだ、怖い、嫌だ、と感じることがあったら、ひっぱたいてもらって構わない」
「はひ……」
この先。やりすぎ。
つまり、まだまだ先があるってこと……!?
そう受け取ったフレデリカは、シュトラウスの腕の中でぷるぷると震えた。
現時点で受け止めきれていないのに、まだ先があるなんて。
「……もう逃げないとは言ったが、俺はきみが嫌がることをするつもりはないんだ。無理そうなら、嫌だと言ってくれても……」
「いや、じゃない、です。びっくりしちゃっただけで、嬉しいから……。やめないで?」
「……!」
いつまでも終わらないようにも思えるそれが、くすぐったくて、嬉しいけど恥ずかしくて。
「あ、あの、シュウ?」
やめて欲しいわけではないが、フレデリカはついに声をあげた。
長いこと婚約者をやってきたが、こんなこと、これまでに一度もなかったのだ。
たしかにちゃんと愛してとは言ったが、あまりの変わりように、フレデリカが戸惑ってしまうのも無理はない。
フレデリカの声を聞き、シュトラウスも一度は動きをとめたのだが――
「フリッカ。俺はもう、逃げないと決めたんだ」
はっきりとした口調でそう言うと、フレデリカの手を取って、やはりキスを落とした。
「ひえ……」
シュトラウスはもう逃げない。遠慮しない。存分にフレデリカを愛する。
年上婚約者の本気を前に、フレデリカは顔を赤く染め上げた。
嬉しい。とても嬉しいけれど、年下の女性で、触れ合いにも不慣れなフレデリカはもういっぱいいっぱいだ。
今にも湯気が出そうなフレデリカが可哀相になってきたのか、シュトラウスはしゅんと眉を下げる。
「もう少し、控えたほうがいいか?」
「……いえ、だいじょうぶ、です」
「……もしもこの先、やりすぎだ、怖い、嫌だ、と感じることがあったら、ひっぱたいてもらって構わない」
「はひ……」
この先。やりすぎ。
つまり、まだまだ先があるってこと……!?
そう受け取ったフレデリカは、シュトラウスの腕の中でぷるぷると震えた。
現時点で受け止めきれていないのに、まだ先があるなんて。
「……もう逃げないとは言ったが、俺はきみが嫌がることをするつもりはないんだ。無理そうなら、嫌だと言ってくれても……」
「いや、じゃない、です。びっくりしちゃっただけで、嬉しいから……。やめないで?」
「……!」