【電子書籍化】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
耳まで真っ赤にしたフレデリカに、上目遣いでそんなことを言われたら。
シュトラウスはたまらず、愛しい人をぎゅっと抱きしめる。
「ありがとう、フリッカ」
「ん……」
ずっとずっと大好きだった人と、ぴったりとくっついて。
フレデリカは、自分からも彼に腕をまわし、そっと目を閉じた。
どれだけそうしていたのだろう。
広がる温もりが、どちらのものなのかもわからなくなってきた頃。
ふわふわと夢見心地のフレデリカを、ドアの開く音が現実に引き戻した。
「姉さん! 遅くなってごめ、ん……」
「まあ……!」
二人の元にやってきたのは、アルフレドとルーナだ。
姉とその婚約者が抱き合う場面を目撃したアルフレドは、ショックで言葉を失っている。
対照的に、二人をずっと応援していたルーナは片手を口にあてて嬉しそうだ。
「おまっ……! お前! シュトラウス! 姉さんになにしてる!」
「アルフレド様」
未来の義弟は取り乱しているが、シュトラウスが気にする様子はない。
おやこんばんは、ぐらいの調子である。
それがまたアルフレドの気に障ったようで、
「姉さんから離れろ! 姉さん、すぐ助けるから!」
と乱暴に足音をたてて二人に近づいてくる。
大変お怒りの弟を制したのは、フレデリカだった。
「アル。いいの。大丈夫だから」
「姉さん……!?」
始めこそ、二人に目撃されたことで少し慌てたフレデリカであったが……。
アルフレドをとめたときには、シュトラウスの胸にぽすん、と自ら身体を預けていた。
こうやって抱き合うことを、自分も望んでいる。引き離す必要はない。その事実を行動で伝えたのだ。
シュトラウスはたまらず、愛しい人をぎゅっと抱きしめる。
「ありがとう、フリッカ」
「ん……」
ずっとずっと大好きだった人と、ぴったりとくっついて。
フレデリカは、自分からも彼に腕をまわし、そっと目を閉じた。
どれだけそうしていたのだろう。
広がる温もりが、どちらのものなのかもわからなくなってきた頃。
ふわふわと夢見心地のフレデリカを、ドアの開く音が現実に引き戻した。
「姉さん! 遅くなってごめ、ん……」
「まあ……!」
二人の元にやってきたのは、アルフレドとルーナだ。
姉とその婚約者が抱き合う場面を目撃したアルフレドは、ショックで言葉を失っている。
対照的に、二人をずっと応援していたルーナは片手を口にあてて嬉しそうだ。
「おまっ……! お前! シュトラウス! 姉さんになにしてる!」
「アルフレド様」
未来の義弟は取り乱しているが、シュトラウスが気にする様子はない。
おやこんばんは、ぐらいの調子である。
それがまたアルフレドの気に障ったようで、
「姉さんから離れろ! 姉さん、すぐ助けるから!」
と乱暴に足音をたてて二人に近づいてくる。
大変お怒りの弟を制したのは、フレデリカだった。
「アル。いいの。大丈夫だから」
「姉さん……!?」
始めこそ、二人に目撃されたことで少し慌てたフレデリカであったが……。
アルフレドをとめたときには、シュトラウスの胸にぽすん、と自ら身体を預けていた。
こうやって抱き合うことを、自分も望んでいる。引き離す必要はない。その事実を行動で伝えたのだ。