怖い部屋-やってはいけないことリスト-
ある日の日曜日、純がリビングで良子と向き合った。
若菜は好きなアニメを見ていてテレビに釘付けになっている。
「また仕事の話?」
良子がうんざりしているのは手にとるようにわかる。
だけどこのままじゃいけない。
このままずっと私だけの稼ぎではとても生活していけないことを、ちゃんと説明しなければ。
「私も家のことは手伝うし、バイトくらいならできるでしょう?」
正座をして真剣な顔で言った。
「家のことって、本当にできるの? そんなに簡単じゃないわよ?」
良子の言葉に純は一瞬言葉に詰まった。
良子がこんなことを言うのは、純が家事を苦手としているからだ。
子供の頃から家の手伝いをよくしていた良子と、全くしてこなかった純では、やはり違う。
純は就職してひとり暮らしをしていたときでも、家事をおろそかにすることが多かった。
いや、むしろ全然しないときのほうが多かったかもしれない。
お米を炊くこともままならない純の主食はコンビニのお弁当や外食ばかりで、ゴミが出ても分別するのが面倒で部屋に投げっぱなしになる。
それを見かねた両親や良子が、何度も片付けに来てくれた。
そんな純のことを知っているからこそ、良子が家にいてくれているんだ。
「頑張るから……」
「頑張るって、今までなにもできてなかったのに、なにをどう頑張るの?」
「だから、それは……」
言いよどんでいると視線を感じて顔を上げた。
いつの間にか若菜が不安そうな表情でこちらを見ている。
若菜は好きなアニメを見ていてテレビに釘付けになっている。
「また仕事の話?」
良子がうんざりしているのは手にとるようにわかる。
だけどこのままじゃいけない。
このままずっと私だけの稼ぎではとても生活していけないことを、ちゃんと説明しなければ。
「私も家のことは手伝うし、バイトくらいならできるでしょう?」
正座をして真剣な顔で言った。
「家のことって、本当にできるの? そんなに簡単じゃないわよ?」
良子の言葉に純は一瞬言葉に詰まった。
良子がこんなことを言うのは、純が家事を苦手としているからだ。
子供の頃から家の手伝いをよくしていた良子と、全くしてこなかった純では、やはり違う。
純は就職してひとり暮らしをしていたときでも、家事をおろそかにすることが多かった。
いや、むしろ全然しないときのほうが多かったかもしれない。
お米を炊くこともままならない純の主食はコンビニのお弁当や外食ばかりで、ゴミが出ても分別するのが面倒で部屋に投げっぱなしになる。
それを見かねた両親や良子が、何度も片付けに来てくれた。
そんな純のことを知っているからこそ、良子が家にいてくれているんだ。
「頑張るから……」
「頑張るって、今までなにもできてなかったのに、なにをどう頑張るの?」
「だから、それは……」
言いよどんでいると視線を感じて顔を上げた。
いつの間にか若菜が不安そうな表情でこちらを見ている。