怖い部屋-やってはいけないことリスト-
逃げる
その後、どうにかコテージから逃げ出した亜希と和也は雪の中で座り込んでいた。
あれだけ降り続いていた雪は今はパタリと降り止んで、雲の切れ間から日が差し込んでいる。
「終わった……んだよね?」
亜希が呆然とした様子で呟いた。
亜希を救い出したあと足首を確認してみると、そこには無数の手の指の跡がついていて、ゾッとした。
そこまで強い怨念がこのコテージには残っていたみたいだ。
「あの3人分は終わったと思う」
和也の言い方にひっかかりを覚えて亜希は「どういう意味?」と聞き返した。
「亜希の足首についてた指の痕、あれは3人分じゃなかったと思う。このコテージにはまだまだ沢山のものがいると思うんだ」
和也の言葉に亜希は自分の足を見下ろした。
鏡に半身が引き込まれた時、足首だけじゃなく腰や太ももにも無数の手が伸びてきていた。
それらはどれも凍えてしまうほど冷たくて、そして強い力だった。
亜希がお経を唱えただけでは到底逃げることはできなかっただろう。
「今回は和也に助けられたね」
そう言うと、和也は少し照れたように頭をかいた。
「ありがとう」
「こんなの、お互いさまだし」
亜希と和也はいつでもこうして助け合って生きてきた。
あれだけ降り続いていた雪は今はパタリと降り止んで、雲の切れ間から日が差し込んでいる。
「終わった……んだよね?」
亜希が呆然とした様子で呟いた。
亜希を救い出したあと足首を確認してみると、そこには無数の手の指の跡がついていて、ゾッとした。
そこまで強い怨念がこのコテージには残っていたみたいだ。
「あの3人分は終わったと思う」
和也の言い方にひっかかりを覚えて亜希は「どういう意味?」と聞き返した。
「亜希の足首についてた指の痕、あれは3人分じゃなかったと思う。このコテージにはまだまだ沢山のものがいると思うんだ」
和也の言葉に亜希は自分の足を見下ろした。
鏡に半身が引き込まれた時、足首だけじゃなく腰や太ももにも無数の手が伸びてきていた。
それらはどれも凍えてしまうほど冷たくて、そして強い力だった。
亜希がお経を唱えただけでは到底逃げることはできなかっただろう。
「今回は和也に助けられたね」
そう言うと、和也は少し照れたように頭をかいた。
「ありがとう」
「こんなの、お互いさまだし」
亜希と和也はいつでもこうして助け合って生きてきた。