怖い部屋-やってはいけないことリスト-
亜希が指差した先にあるのは窓の近くに置かれている姿見だった。
それには真っ赤な布が被せられていて、このコテージ内で唯一浮いている存在だった。


「確かにあの鏡は目に留まるよな。でも、ちょっとあからさますぎないか?」


こういうちょっと怖いようなリストの中に入るには、目立ちすぎている。


「きっと、前に泊まった人がこういう遊びをしていたんだろうね」


遊びだと考えればあの鏡は十分に使えそうだ。
でも、この紙に書かれていたせいか、やけにその鏡が気になりはじめてしまった。

本を読んでいても、ゲームをしていても常に視界の済に入ってきてしまうようなのだ。
赤い布というところがネックになっていて、嫌でも気になってしまう。


「やっぱり、ちょっと不気味じゃない?」


対戦ゲームを途中で放り出した亜希が鏡に近づいていく。


「おい、自分が負けてるからって他のことするなよ」


和也は文句を言いながらも、やはり鏡の存在は気にしていたようで、テーブルにコントローラーを置くと亜希の後に続いた。


「これさ、移動させちゃダメかな?」

「さすがに、コテージの備品だろうしなぁ」

「ちょっと、管理人さんに聞いてみようか」
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