怖い部屋-やってはいけないことリスト-
「いい景色だね」
亜希の方はさっきから何度もスマホを操作して景色を撮影している。
本当は電車内でスマホを使わない方がいいのだけれど、同じ車両にはふたり以外の乗客の姿がなかったので、使わせてもらっていた。
「それにしても、人がいないなぁ」
隣の車両へ視線を向けても、継ぎ目のマドから見えるのは2,3人の乗客の姿のみだ。
都会の喧騒に慣れている和也にはこれも不安要素のひとつだった。
「昔、都市伝説で聞いたことがあるんだ」
不意に話始めた和也に亜希は耳を傾ける。
「ある電車に乗ってついいねむりをしてしまったOLが、見知らぬ駅に降り立ったって話。そこは検索しても出てこない駅で、実在しない街だったんだ」
「それ知ってる。有名な話だよね。でも大丈夫だよ、私達は電車に乗ってから1度も眠ってないから」
ここへくるまでに何度か電車を乗り換えて来ているけれど、まだ1度も昼寝をしていない。
朝早い時間から行動しているけれど、楽しさの方が勝っていて眠気は襲ってこなかった。
そうこうしている間に電車は和也たちの目的に到着した。
「次は〇〇駅~、○○駅~。右側のドアが開きます。お降りの際は……」
決り文句が流れてきて亜希はまた車窓から外を見つめた。
そこには小さな無人駅がぽつねんと立っていて、なんだか寂しそうに映る。
「やっぱり大丈夫だよ。この駅の名前は都市伝説の駅名とは全然違うから」
亜希はそう言ってニッと笑ったのだった。
亜希の方はさっきから何度もスマホを操作して景色を撮影している。
本当は電車内でスマホを使わない方がいいのだけれど、同じ車両にはふたり以外の乗客の姿がなかったので、使わせてもらっていた。
「それにしても、人がいないなぁ」
隣の車両へ視線を向けても、継ぎ目のマドから見えるのは2,3人の乗客の姿のみだ。
都会の喧騒に慣れている和也にはこれも不安要素のひとつだった。
「昔、都市伝説で聞いたことがあるんだ」
不意に話始めた和也に亜希は耳を傾ける。
「ある電車に乗ってついいねむりをしてしまったOLが、見知らぬ駅に降り立ったって話。そこは検索しても出てこない駅で、実在しない街だったんだ」
「それ知ってる。有名な話だよね。でも大丈夫だよ、私達は電車に乗ってから1度も眠ってないから」
ここへくるまでに何度か電車を乗り換えて来ているけれど、まだ1度も昼寝をしていない。
朝早い時間から行動しているけれど、楽しさの方が勝っていて眠気は襲ってこなかった。
そうこうしている間に電車は和也たちの目的に到着した。
「次は〇〇駅~、○○駅~。右側のドアが開きます。お降りの際は……」
決り文句が流れてきて亜希はまた車窓から外を見つめた。
そこには小さな無人駅がぽつねんと立っていて、なんだか寂しそうに映る。
「やっぱり大丈夫だよ。この駅の名前は都市伝説の駅名とは全然違うから」
亜希はそう言ってニッと笑ったのだった。