怖い部屋-やってはいけないことリスト-
目が冷めてリビングへやってきたら、すでに鏡がここにあったという。
信じられないことに和也は目を見開いた。

でも、亜希が1人でこの鏡を移動できないことはすでにわかっていることだった。
残る可能性は、管理しているおじさんだ。

この鏡の存在を知っていて、なおかつ物置に移動したと知っているのはおじさんしかいない。


「でも、こんなことをする理由は?」


亜希にそう質問されて黙り込んでしまった。
おじさんがこんなことをする理由はなにもない。

和也と亜希を怖がらせたってなんの得にもならない。
と、いうことは……。

いろいろな可能性を消し去っていって残るのは、この鏡が自分からこの部屋へ戻ってきた。
ということだけだった。

和也も亜希も何も言えずに鏡の前で立ち尽くす。
鏡に駆けられている真っ赤な布が、まるで血に染まってそうなってしまったかのように見えて、鳥肌がたった。


「倉庫の鍵は昨日返したんだよね?」


亜希に聞かれて和也は何度も頷いた。
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