怖い部屋-やってはいけないことリスト-
「そうだよ。昨日、晩ごはんのハンバーグを持ってきてくれたときに返した」

「私達に鍵を開けることはできない。一応、倉庫が開いていないかどうか、確認してみよう」


それからふたりで外へ出て倉庫の鍵を確認してみたけれど、ちゃんとかかった状態になっていた。


「なにがなんだかわからない」


外は昨日よりも気温が低く、肌に刺さるような寒さを感じた。
昨日の夜見たニュース番組では今日は雪の予報になっていたし、もうすぐ降りはじめるのかもしれない。


「鏡がひとりでに戻ってきた……なんてこと、ないよな」


和也の言葉を笑い飛ばして否定したかったけれど、亜希にはできなかった。
亜希も和也も幼い頃から少し奇妙な体験をすることが多かったからだ。

例えばふたりの曾祖母が亡くなった小学校5年生のとき、ふたりはいつも起きる時間よりも早く目を覚ましていた。


『どうしたの亜希、眠れないのか?』


キッチンへ降りていった亜希に声をかけたのは、グラスに水をそそいで飲もうとしていた和也だった。


『なんだか目が覚めちゃって』
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