怖い部屋-やってはいけないことリスト-
「知らないねぇ……」


もしかしたら、なにもかもわかった上であの部屋に自分たちを泊まらせたのかもしれない。
そう思い当たった和也がおじさんを睨みつけた。


「とにかく、部屋を替えてください」


部屋さえ替えてくれればもうあんな現象は起きないはずだ。
今まで悪霊とも言える霊たちにも出会ってきたふたりは、こういうときに一番大切なのは自分の身を守ることだと、わかっていた。


「ま、満室なんだよ」


おじさんの額に汗が浮かんできている。
こんなに寒いのに、外は雪が振っているのに汗をかくなんて、どう見てもおかしかった。


「嘘ですよね?」


亜希の言葉にギクリと体を震わせた。


「昨日、隣のコテージの家族が帰っていくのを見ました。あそこなら、空いてますよね?」

「そ、そうだけど、でも掃除とか、色々あるんだよ」


引きつった笑みを浮かべている。


「そんなの俺たち気にしません」

「そ、それはダメなんだよ。ほら、規則とか、そういうものあるしさ」
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