怖い部屋-やってはいけないことリスト-
☆☆☆

部屋へ戻ってくるまでに随分と時間がかかったのは、足おもとを覆い尽くす雪のせいだった。


「透子からの連絡はまだないな」


部屋に戻ってすぐにスマホを確認してみたけれど、まだ連絡は来ていなかった。


「こっちから電話してみようよ」


亜希はそう言うと、透子に連絡を入れた。
外は雪だし、これ以上部屋にとどまっていることも嫌だった。

早く透子に来てもらって部屋を替えてもらうしか方法はない。
透子はすぐに電話に出てくれた。


『亜希ぃ? そっち雪はすごい?』


電話に出た瞬間に能天気な声が聞こえてきて全身の力が抜けていく。


「雪はすごいよ。それよりも何時くらいに駅に到着する予定なの?」


質問する声が少し乱暴になってしまった。
そもそも最初から透子が一緒に来てくれていれば、こんなことにはならなかったんだ。


『それが、電車が途中で止まっちゃったんだよね』

「えぇ?」

『こっちも雪がすごくてさぁ、動き出すまでまだ時間がかかるみたい』
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