怖い部屋-やってはいけないことリスト-
その言葉に亜希は大きくため息を吐き出した。
まさかこの雪の影響がすでに出ているとは思っていなかった。
それならそれで、連絡くらいくれればいいのにと腹立たしく感じられる。


「とにかくさ、透子のおじさんに部屋を替えてもらうようにお願いできないかな?」

『部屋? どうかしたの?』

「昨日から変なの。ちょっと、嫌な感じがする」


親友の透子は二人の能力についても知っている。
こう言えば、きっと理解してくれるはずだ。


『あぁ……そうなんだ』

「だからお願い、部屋を替えてくれるように頼んでくれない?」

『……ごめん。それはできない』

「どうして!?」


昨日から様子がおかしいと言っているのだから、透子にはその理由がわかるはずだ。
それなのに返ってきた返事は無情なものだった。


『だって、他の部屋が空いてないんでしょう? それならどうしようもないよ』

「で、でも、隣の部屋の人は昨日帰っていったんだよ? その部屋が空いてるはずなんだよ」

『そっか。でもコテージのことはよくわからなくて……おじさんがダメって言うなら、きっとダメなんだと思う』
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