怖い部屋-やってはいけないことリスト-
『それなら、聞かせてくれないかな? 僕と亜希に』
亜希はお経を読むのを辞めて印を解いた。
それでも少年は変わらずフルートを見つめている。
『……いいの? 僕、演奏してもいいの?』
和也は頷く。
すると少年は嬉しそうに微笑んだ。
フルートを口に近づけると、すぐにのびやかな音が響き渡る。
それは自由で力強くて、繊細で、でも大胆で。
きっと、少年にしか出すことのできない音色だ。
やがてその音色は途絶えて、少年の姿も消えた。
あれだけビクともしなかったドアが開いて、ふたりはようやく外へ出ることができたのだった。
「今回もあれくらいすごいと思う?」
亜希に聞かれて和也は首を傾げた。
「どうかな。まだそこまで嫌な感じはしないけど」
音楽室へ入ったときのような、あからさまな威圧感はない。
でも、どこからか漂ってくる嫌な気配は確かにしていた。
まるで気がつけば足元まで忍び寄ってきているかのようだ。
確実に人間を追い詰めるために正体を隠しているのかもしれない。
亜希はお経を読むのを辞めて印を解いた。
それでも少年は変わらずフルートを見つめている。
『……いいの? 僕、演奏してもいいの?』
和也は頷く。
すると少年は嬉しそうに微笑んだ。
フルートを口に近づけると、すぐにのびやかな音が響き渡る。
それは自由で力強くて、繊細で、でも大胆で。
きっと、少年にしか出すことのできない音色だ。
やがてその音色は途絶えて、少年の姿も消えた。
あれだけビクともしなかったドアが開いて、ふたりはようやく外へ出ることができたのだった。
「今回もあれくらいすごいと思う?」
亜希に聞かれて和也は首を傾げた。
「どうかな。まだそこまで嫌な感じはしないけど」
音楽室へ入ったときのような、あからさまな威圧感はない。
でも、どこからか漂ってくる嫌な気配は確かにしていた。
まるで気がつけば足元まで忍び寄ってきているかのようだ。
確実に人間を追い詰めるために正体を隠しているのかもしれない。