怖い部屋-やってはいけないことリスト-
そうだとすれば、音楽室の少年よりもたちが悪いことになる。
と、そのときだった。

また、誰も触れていないのに鏡の布がずるりと落ちた。
今度は誰かが下から引っ張ったような落ち方だ。


「もう、なんなんだよ」


御札を貼り付けておいたのに、それもいつの間にか床に落ちていた。
貼り方が悪かったのか、それともここにいる霊の力のせいなのか。

亜希がそっと鏡に近づいて布を手に取った。
とにかく鏡を隠しておかないと気味が悪い。

そう思ったのだけれど……鏡の中に少女の顔が映った。
その顔が血に濡れていて、苦痛に顔が歪んでいる。


「キャア!」


その瞬間悲鳴を上げて飛び退いていた。
鏡の布が足に絡みついてこけてしまう。


「亜希!」


和也がすぐに駆け寄ってきて、布を奪うようにして鏡にかぶせた。
心臓がバクバクと脈打って今にも破裂してしまいそうだ。


「亜希、大丈夫?」

「うん……平気」
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