怖い部屋-やってはいけないことリスト-
聞いてきたのは男性だった。
康太くんたちのお父さんだろう。
「一番奥です」
和也が奥のコテージを指差して答えた。
少し離れたここから見る最奥のコテージは庭は広くてもなんだかさみしげに見えた。
雪が振っているせいかもしれない。
「あぁ……あそこか……」
なぜか男性の顔が曇った。
「あのコテージでなにかあったんですか?」
和也はつい、前のめりな質問をしてしまう。
「いや、そんなことはないんだよ。でもあそこは部屋が満杯になったときにしか使われていないみたいだから、不思議だなぁと思って。あ、僕たちはこのコテージの常連客でね、毎年、2度は泊まりに来てるんだ」
男性が不思議がるということは、やっぱりコテージの部屋は他にも空いているということなんだろう。
「他にはなにか知りませんか? あの部屋で起こったこととか」
亜希の質問に男性は困ったように頭をかいた。
見かねた奥さんが隣から口をはさむ。
「私達も直接聞いたわけじゃないんだけど、なにかよくないことが起きるという噂があるみたい。でもそんなの一時の噂だから、気にする必要はないと思うわよ」
優しい口調で、安心させるように言う。
けれどこの人達もコテージの過去についてはなにも知らないみたいだ。
きっと、さっきまでふたりがコテージについて調べていたように、口コミや評価を目にして、その情報を知っているだけなんだろう。
ふたりは家族にお礼を言って自分たちのコテージへと戻っていった。
他の宿泊客たちは部屋にこもっているし、雪はまだ降り続いている。
これ以上外にいると体温を奪われてしまいそうだった。
康太くんたちのお父さんだろう。
「一番奥です」
和也が奥のコテージを指差して答えた。
少し離れたここから見る最奥のコテージは庭は広くてもなんだかさみしげに見えた。
雪が振っているせいかもしれない。
「あぁ……あそこか……」
なぜか男性の顔が曇った。
「あのコテージでなにかあったんですか?」
和也はつい、前のめりな質問をしてしまう。
「いや、そんなことはないんだよ。でもあそこは部屋が満杯になったときにしか使われていないみたいだから、不思議だなぁと思って。あ、僕たちはこのコテージの常連客でね、毎年、2度は泊まりに来てるんだ」
男性が不思議がるということは、やっぱりコテージの部屋は他にも空いているということなんだろう。
「他にはなにか知りませんか? あの部屋で起こったこととか」
亜希の質問に男性は困ったように頭をかいた。
見かねた奥さんが隣から口をはさむ。
「私達も直接聞いたわけじゃないんだけど、なにかよくないことが起きるという噂があるみたい。でもそんなの一時の噂だから、気にする必要はないと思うわよ」
優しい口調で、安心させるように言う。
けれどこの人達もコテージの過去についてはなにも知らないみたいだ。
きっと、さっきまでふたりがコテージについて調べていたように、口コミや評価を目にして、その情報を知っているだけなんだろう。
ふたりは家族にお礼を言って自分たちのコテージへと戻っていった。
他の宿泊客たちは部屋にこもっているし、雪はまだ降り続いている。
これ以上外にいると体温を奪われてしまいそうだった。