怖い部屋-やってはいけないことリスト-
でもそれにはなにも書かれていない。
なんの紙だろう?

そう思った裏返したとき、女の子と自然がぶつかった。
亜希が持っていたそれは古い写真で、色あせた中に女の子が映っていたのだ。

女の子の右側にはショートカットの女性。
左側にはセミロングの女性が立っている。

3人ともよく見れば顔つきが似ていて、家族や親戚なのだろうということがわかった。
写真の中の3人はとても楽しそうによりそって映っている。

その背景には小さいけれど立派な一軒家と森が映っている。


「ここってどこなんだろう? 見たことない家だね」

「そうだな。誰かが忘れて行ったのかな」


和也はそう行って見たけれど、忘れ物をするにしても写真を食器棚の裏に忘れるなんてちょっと考えられない。
ふたりはマジマジと写真を見つめた。
そして亜希がまた「あっ」と小さく声を上げる。


「これ見て」


亜希が指差したのは家の横にある小屋だった。
その小屋はコテージの庭にあるものと瓜二つだったのだ。
よく見てみると後ろの森の様子も似ている。


「もしかしてこれって、コテージが建つ前に撮られた写真かな?」


随分と古い写真だし、その可能性もある。
だけどこの家はすでになくなっていて、小屋だけが残されている。


「この女の子って、鏡の中に出てきた子だと思う?」
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