怖い部屋-やってはいけないことリスト-
☆☆☆

リビングに戻ったカズヤは動きやすい服を身に着けて小さく震えていた。
お風呂での出来事をよやく亜希に教えたところだった。


「きっと、この人が女の子の母親で、こっちは女の子の叔母さんってことになるんだと思う」


まだ少し震える指先で、写真の中に映る3人の関係性を紙に書き出していく。


「お風呂で見た女の子は血まみれで、母親の首は伸びて、ロープの痕があった」

「そこまで鮮明に見えたんだね」


亜希に聞かれて和也は頷く。
最初は仲の良さそうな親子にしか見えなかったけれど、水中に引き込まれたときの顔はひどかった。

きっと、あれがふたりが死んだときの姿なんだろう。
痛ましくて胸が苦しくなった。


「じゃあ、女の子は包丁で刺されて、母親は首を吊って死んだってこと?」


そう……なのかもしれない。
あの包丁についていた血は、きっと女の子のものだ。


「たぶん、そうなんだと思う」


和也は力なく頷いた。
随分と体力を消耗してしまったようだ。


「子供の殺したのは母親の妹。女の子からすれば、叔母さんだったんだと思う」


だけど、どうしてそんなことをしたのかまではわからなかった。
あのままでは和也が死んでしまっていただろうし。
< 88 / 126 >

この作品をシェア

pagetop