怖い部屋-やってはいけないことリスト-
写真を前にしてふたりで考え込んでいると、不意に部屋の中にふたり以外の声が聞こえてきた。
それは苦しげなうめき声で、地の底から這い上がってくるような恐ろしさがあった。


ウウゥゥウウウゥゥ……。

くる……シい……。

タす……ケて……。

苦し……イクルシ……い。

助け……て。

痛い。

イタイよ、イタい痛イイタイ……ヨ。


それは1人分のうめき声ではなかった。
何人もの声が折り重なって何層にもなっている。

聞いているだけで全身に寒気が走り、なぜか泣きそうになってしまう。


「『やってはいけないことリスト』をすべて実行したから、出てきたのかもしれない」


和也が警戒して周囲を見つめる。
でも、その目に幽霊の姿は見えなかった。

確実に近くにいるのに、姿をくらましているのだろう。


「どうする?」


亜希が数珠をきつく握りしめて聞く。
亜希の目にも、幽霊たちの姿はまだ見えていなかった。
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