怖い部屋-やってはいけないことリスト-
仲が良さそうだった姉妹なのに、明らかな嫌悪が見え隠れしてきている。
若菜ちゃんの母親は純さんを疎ましく感じるようになっていたようだ。

そしてきっと純さんの方も、若菜ちゃんの母親に敵意を持つようになっていた。
このとき若菜ちゃんはふたりの間になにを感じていただろう。

いくら小さくても、いや、小さいからこそ大人の変化には敏感になるんじゃないだろうか。
亜希の脳裏には小さな若菜ちゃんがふたりの間に板挟みになっている様子が想像できて、胸が痛かった。

それでもまだ、若菜ちゃん自身にはどうすることもできない年齢だ。
ただただ、ふたりの間で悲しい気持ちになっていたんじゃないだろうか。


【若菜4歳。
もう十分お姉さんだ。純は相変わらず1日家にいる若菜を見て顔をしかめているけれど、保育園も幼稚園もわざわざ行かせる必要はないと判断した。

勉強も、遊びも、この近くで十分にできる。公園で友だちも沢山できた。
でも、純の気持ちは別のところにあるみたいだ。最近、私へ向けられる視線が痛い気がする】


結局保育園や幼稚園には入れないと判断したみたいだ。
その分家庭内で勉強して、自分たちの力で友だちも作っている。

それはそれでいいと思うけれど、純さんは不服のようだ。
その不服の原因は若菜ちゃん自身ではなく若菜ちゃんの母親にあるようだ。

雪は降り止むことを知らず、日記の上にどんどん降り積もっていく。
和也は時折積もった雪を指先で落として先を読み進めた。


【若菜6歳!
初めての小学校にドキドキしてたみたい。
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