5年前の君に
(回想)3年生になったばかりの頃。佐藤直也はいつもクラスでひとりぼっち。
初めは名前と顔が似ているから話しかけられたりいじられたりしたが、彼は一切クラスに馴染もうとしなかった。
元々都内有数のエリート校を目指していたが本命の受験日に熱を出し、結局不本意でこの高校に入学。
皆のことを下に見ているとかバカにしているとか、そんなふうに言われて周囲から敬遠されていた。
でもどうしてもそんなふうに見えなくて、いつも彼が寂しそうにしていたから。
直樹「佐藤っ、次の生物室一緒に行こう」
直也「嫌だよ」
直樹(あれ?)
友達1「おい、何あいつに話しかけてんだよ」
友達2「つーか、折角声かけたのにひでぇーな。むかつくー」
嫌だよと言った時、顔が赤らんでいるように見えて心臓を掴まれたような気がした。
それから、何かと彼にちょっかいを出した。
直樹「佐藤っ、一緒に帰ろう」
直也「は?なんで?」
直樹「直也!」
そのうち苗字が同じだから、名前で呼ぶようになって……。
直也「お前、なんなの?」
直樹「学食だろ?俺も行く」
直也「一人で行けよ」
直樹「どうせ行くところ一緒だし、いいだろ」
嫌がっているより照れているようにも見えた。
その表情が近くにいることを許してくれている合図のように思えて、彼の隣にいてもいいと思った。
料理人「お待ちどーさま。あら、二人は兄弟?よく似てるわね」
からあげ定食を受け取って、椅子に座る。
その後、二人は食べ始めた。
直樹「俺たちさ、名前も顔も似てるしさ。本当に兄弟かもな」
直也「はあ……」
直樹「兄弟だったらいいな」
直也「は?なんで?」
直樹「兄弟だったらさ……」
直也「?兄弟だったら何?」
直樹「あー、なんて言おうとしたか忘れちゃった!」
直也「はぁ?」
直樹(兄弟だったら一緒にいられたのに、って言っていいんだっけ?)
わからないけど、直也といるのが楽しいし、そう思っているのは俺だけじゃないのもわかる。
何も言わないけど、そうに違いない。
初めは名前と顔が似ているから話しかけられたりいじられたりしたが、彼は一切クラスに馴染もうとしなかった。
元々都内有数のエリート校を目指していたが本命の受験日に熱を出し、結局不本意でこの高校に入学。
皆のことを下に見ているとかバカにしているとか、そんなふうに言われて周囲から敬遠されていた。
でもどうしてもそんなふうに見えなくて、いつも彼が寂しそうにしていたから。
直樹「佐藤っ、次の生物室一緒に行こう」
直也「嫌だよ」
直樹(あれ?)
友達1「おい、何あいつに話しかけてんだよ」
友達2「つーか、折角声かけたのにひでぇーな。むかつくー」
嫌だよと言った時、顔が赤らんでいるように見えて心臓を掴まれたような気がした。
それから、何かと彼にちょっかいを出した。
直樹「佐藤っ、一緒に帰ろう」
直也「は?なんで?」
直樹「直也!」
そのうち苗字が同じだから、名前で呼ぶようになって……。
直也「お前、なんなの?」
直樹「学食だろ?俺も行く」
直也「一人で行けよ」
直樹「どうせ行くところ一緒だし、いいだろ」
嫌がっているより照れているようにも見えた。
その表情が近くにいることを許してくれている合図のように思えて、彼の隣にいてもいいと思った。
料理人「お待ちどーさま。あら、二人は兄弟?よく似てるわね」
からあげ定食を受け取って、椅子に座る。
その後、二人は食べ始めた。
直樹「俺たちさ、名前も顔も似てるしさ。本当に兄弟かもな」
直也「はあ……」
直樹「兄弟だったらいいな」
直也「は?なんで?」
直樹「兄弟だったらさ……」
直也「?兄弟だったら何?」
直樹「あー、なんて言おうとしたか忘れちゃった!」
直也「はぁ?」
直樹(兄弟だったら一緒にいられたのに、って言っていいんだっけ?)
わからないけど、直也といるのが楽しいし、そう思っているのは俺だけじゃないのもわかる。
何も言わないけど、そうに違いない。