幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。
そう言い切った私に対し、那桜はニッコリと黒い笑みを浮かべた。なんだかゾクっとした。
でも今更言葉を捻じ曲げるわけにはいかない。それこそ桜花組のお嬢の名折れってものだ。
「お嬢が欲しいです」
「は……?」
私が欲しい……??
言われた意味がわからず、ポカンとしてしまったがすぐにハッとする。
「うちのシマが欲しいってこと!?」
「違います」
「うちを乗っ取る気!?」
「違います。いや、ある意味そうかもしれませんね?」
この男……誕生日にかこつけてなんてことを……っ!!
「ふざけないで!!」
「ふざけてません。俺は本気でお嬢が欲しいんです」
「だから……っ!」
「お嬢、俺と結婚してください」
は……………??