幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。

10.那桜VS悠生



「お嬢、どういうことっすか?そいつと付き合ってるんすか?」


 ど、どうしよう……?
 今のこの状況、誤魔化すなんて無理だ。
 なんて言えば……!


「そうですよ。付き合ってます」

「!?」


 えええええ!!何言ってくれちゃってんの、那桜ーー!!
 全然誤魔化さないじゃん!!


「テメェには聞いてねぇよ」


 あーー!!悠生の額に青筋が立ってるーー!!


「半端な気持ちでお嬢に手ぇ出したら殺してやる」

「やれるものならどうぞ?」

「テメェ……っ」

「やめて悠生!!」


 ブチギレて今にも殴りかかりそうな悠生の前に割って入る。


「ごめん、悠生!私……っ」

「……っ、クソッ」

「悠生!!」


 悠生は唇を噛み締めると、荒々しい大股歩きで出て行ってしまった。私は悠生の後を追いかけようとする。


「鏡花!今はほっといた方がいいんじゃないですか?」


 那桜は私の腕を掴んで止めたけど、振り払う。


「悠生は大切な家族だもん!ちゃんとわかってもらいたいよ!」


 私はキッチンを飛び出して悠生を追いかける。


「悠生!!」

「お嬢……」


 悠生は私の方を見ようとはしなかった。


「悠生、私ね、那桜のことが……」
「聞きたくねぇ!!」


 悠生は大声をあげて遮った。思わずビクッとしてしまった。


「ただいま〜」


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