幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


「もしかして、俺の裸見てムラムラしてるんですか?」

「するか!!早く着替えてよ!!」

「はいはい」

「てか那桜、体調は?」

「熱下がりましたし楽になりました」

「回復するの早いね」

「まあ鍛え方が違うので」


 Tシャツに着替え、濡れた髪をタオルで拭きながらベッドに腰かける。
 するとビクッとしたかと思うと、鏡花は明らかに距離を取った。


「なんで離れるんですか?」

「べ、別に!?」

「もっとこっち来てくださいよ」


 細い腕を引っ張って引き寄せると、ものすごく頬を紅潮させる。ダメだ、かわいすぎる。


「鏡花、こっち向いて」

「〜〜っっ」

「キスしに来てくれたんじゃないんですか?」

「はあっ!?」


 思わずこっち向いちゃうところがかわいい。
 重症なのはわかってる。でも仕方ない。


「違うの?」

「ちが……くない」


 俺をここまで狂わせて溺れさせるのは鏡花だから。かわいくてたまらない。
 何とか理性を保っているのを褒めてもらいたい。


「私も那桜に会いたかった……っ」

「っ、煽るなよ……」


 本当は今すぐ押し倒して、めちゃくちゃに愛したい――。

 綺麗なグレーの瞳に映るのが俺だけがいい。
 全部俺だけのものになればいいのに。



「――そこまでです」


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