幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。
ママはとても悲しそうにした。
でも、私の目を見て真っ直ぐに言った。
「鏡花ちゃん、パパは…和仁さんは鏡花ちゃんのことをとても大切に思ってるし、心から愛してるわ」
「え、うん……」
「だから、鏡花ちゃんが自分と同じ思いをするかもしれないって思ってるんだと思うの」
「どういうこと?ちゃんと話してくれなきゃわからないよ!」
するとママは、また別の写真を差し出した。
それを見て、私は大きく目を見開いた。
これって、まさか――……
「和仁さんと美桜さんは恋人同士だったの」
写真に写っていたのは、若い頃のパパと美桜さんだった。
二人は仲睦まじく寄り添い合っている。パパは真顔だったけど、どこか照れているようにも見えるし、美桜さんはパパと腕を組んで嬉しそうに笑っていた。
「パパは、染井一家の娘さんと付き合ってたの……?」
「ええ」
ママは目を伏せて頷く。
隣で見ていた悠生も信じられないというような顔をしていた。
「私も二人にどういう経緯があったかは知らないけど、周囲には内緒で密かに付き合っていたみたいなの。
でも、二人の関係がバレて両家から猛反対されてしまった。和仁さんは裏切者と罵られ、桜花組から追放されてしまったの」
「パパが!?」