幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。
その時だ。
パッと会場の照明が落ち、ステージにだけスポットライトが当てられる。
「皆さま、長らくお待たせ致しました。これより、婚約発表パーティーを始めさせていただきます。まず、本日の主役に登場していただきましょう」
司会者のアナウンスの直後、ステージに那桜が現れた。会場は大きな拍手で出迎える。
那桜は濃いネイビーのスーツにシャツ、ネクタイもネイビー系で合わせエレガントにまとめていた。
思わず会場が色めき立ったのがわかるくらい、ものすごくカッコいい。
前髪をセンターパートに分けているのはいつも通りだけど、綺麗にセットされていていつものイケメン度爆上げ。
細身のスーツが那桜のスタイルの良さ、脚の長さを強調させている。
「きゃーー♡極道の若頭なんてどんな強面と思ってたら、超絶イケメンじゃない♡」
「私が結婚したい!」
会場からそんな声が聞こえてくる程。
久しぶりに見た那桜は、本当にものすごくカッコよかった。体調はすっかり良くなったみたいで元気そう。
やばい、顔が見られただけで泣きそう――……。
「皆さま、本日はお忙しい中僕の婚約発表パーティーにお集まりいただき、誠にありがとうございます。
先日18になり、まだまだ若輩者ですが成人を迎えることになりました」
マイクを通して那桜がスピーチする。
「これからの染井を支えていくために、一緒に歩んでいくパートナーをご紹介したいと思います」