幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


 那桜、そんな風に思ってたんだ。


「あの温かさは染井にはないものだと思いました。俺はそんな桜花組を心から尊敬しています」

「っ!?若が桜花組を褒めただと!?」

「那桜……!!」


 ざわつく人々を無視し、那桜は続ける。


「俺は両家が協力し合えば、もっとより良い組織が作れると思っています」

「わっ私もそう思ってます!!」


 たまらず私も声をあげた。


「お、桜花組はみんな優しくて気のいい奴らばかりです。仲間思いで家族思いの組なんです。
でもちょっとおつむは弱いとゆうか、すぐ手が出やすいところがたまにキズとゆうか……っ」


 言ってて悲しいけどこれは事実!!ごめんねみんな!!


「だけど、染井一家はみんな頭脳派で戦略的ですごいなって思ってます。色んな分野で幅広くビジネスをやってるし、そういうところは桜花にはないです。
だからつまり、二組が協力したら最強じゃん!?ってことです!」


 会場がシーーンと静まり返った。

 あれ!?もしかして私、ハズしてるっ!?


「あははっ」
「笑わないでよ那桜!」
「だって鏡花らしくて、好きだなぁって思って」
「……!」
「好きですよ、鏡花のそういうところも」


 那桜ってば、大勢の前でもサラッと言えちゃうんだから。


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