幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


 私が椅子に座ると、八重は髪飾りを綺麗に付けてくれた。


「これで完璧ですわ」
「ありがとう!」
「18歳おめでとうございます」


 3月28日。ちょうど桜が見頃を迎える頃、私は18歳になった。
 そして今日は私と那桜の結婚式でもある。


「こんなに素晴らしい髪飾りをあつらえてしまうとは、流石は八重姫ですね」

「これでも2ヶ月かかりましたのよ」

「うう、ありがとう八重!」

「親友の誕生日と結婚祝いですもの。当然ですわ」


 私たちは人前式で和装を選んだ。お色直しでドレスも着ることになっているけど、メインで着るのは白無垢にした。
 純白の絹に桜の花が織り込まれた美しい白無垢だ。

 私は外国人顔なので、日本髪は似合わないから髪型は洋装にしてもらった。ローシニヨンでかわいくアレンジしてもらい、八重手作りの桜の花飾りが華やかさを与えてくれる。

 私の人生で今が一番盛れてると思う!


「八重お嬢様、そろそろ……」
「あ、はい、今参ります。それではお二人とも、くれぐれも大人しくなさいませ」


 そう言って八重は付き人とともに行ってしまった。入れ替わりに私の両親が訪れる。


「まあ〜!鏡花ちゃんとっても綺麗よ!!」


 ママは入ってくるなり、キャッキャッとはしゃいでいた。


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