幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。
私の決意の叫び(?)が学校中に轟いたかどうかはわからないけれど。
とにかく私は那桜なんかに屈しない……!!
今日は家庭科でクッキー作りをすることになっている。
「うおりゃーーっ」
力一杯生地をこねて、絶品クッキーを作ってやる。そしてその中にたっぷりの下剤を仕込んで那桜に食べさせてやるのよ……!!
「覚悟しろ那桜!!」
「鏡花……食べ物を粗末にしてはいけませんわ」
「那桜にあげるやつにしか入れないもんね!」
「そういうことではないと思いますけれど」
「ところで八重、なんで家庭科の授業でお店で出せそうなしっとりクッキー作ってんの!?めっちゃ美味しそうなんだけど!!」
家庭科の先生が敵わないと顔面蒼白になるような、プロのパティシエが作ったもの同然の出来映えだ。
この時間でよくこのクオリティのクッキー作れたな!?
「食べます?鏡花なら特別にお安くしますわ」
「売るんかい!!」
「冗談ですわよ」
その後いただいた八重のクッキーは、本気でお金を出してもいいと思えるくらいに美味しかった。
八重のクッキーには劣るけど、私も結構上手く作れた方だと思う。
ふふふ、この下剤入りクッキーを食べろ那桜……!!
「な……、」
「あのっ!染井先輩!」