幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


 いやますます何言ってるんだ????


「お嬢はもっとハッキリ言わないと伝わらないようなので」

「なっ、なっ」

「お嬢、俺に借りありますよね?」


 ……うぐっ!それを言われると……。


「そもそもあんなことがあった翌日、普通に徒歩で行くバカいますか?」

「うるさいな!!もう捕まったんだし大丈夫じゃない!」

「これだからあなたって人は目が離せないんですよ……」

「何をう!」

「早く行きますよ」


 勝手に迎えに来ておいてなんで偉そうなの??
 ほんっと意味わからん。

 てか組の連中に見られたらどうするのよ!!
 思わず周囲を見回してしまったけど、とりあえず知り合いには見られてないみたいだ。


「そうだ、お嬢」
「な、何?」


 ほんとこいつ平然としすぎてて腹立つな。


「週末空いてますか?」
「あ、空いてるけど」
「俺とデートしません?」


 何だって????

 デートとかって聞こえた気がしたけど、幻聴かな?私の耳、ついにイカれたのかな?


「デートですよ。で、え、と」

「はあああああああ!?!?」


 思わず鼓膜を破りそうな大声をあげてしまった。咄嗟に耳を塞ぐ那桜。
 道行く人たちも何事かとビクッとしてこちらを振り返る。

 す、すみません……とぺこぺこしてから、私は気持ち声のボリュームを抑えた。


< 45 / 176 >

この作品をシェア

pagetop