幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。
だけど私はこれまで那桜に勝てたことがない。
幼稚園の頃から今に至るまで勉強やスポーツ、あらゆる分野で那桜に挑んでいるけど、一度も勝ったことがない。
私の目標は打倒・那桜。
いつかあの生意気な男に「参った!」と跪かせてやりたい!
見てなさいよ!!
* * *
翌日の体育の授業はバレーボール。
男女別だけど、そんなことは関係ない。私は那桜よりアタックを決めまくってやる。
「オラァ!」
早速高速サーブでポイントGET。
続いても高いジャンプからトスを上げ、思いっきりサービスエース!
「鏡花ちゃん強い〜!」
若干相手チームが脅えているような気もするが、構わず私はサーブを決めまくる。結果的にサービスだけでゲームが終了してしまった。
見たか那桜!これが私の実力よ!!
「何やってんですか、お嬢」
くるりと振り返った先には、心底呆れた表情の那桜がいた。
「これはお嬢一人のゲームじゃないんですよ」
「うっ、うるさいなっ」
「腕もこんなに真っ赤じゃないですか」
急に右手を掴まれたのでドキッとした。私の腕は真っ赤になっている。
「は、離してよっ」
思いっきり腕を払いのけた。那桜のくせに気安く触るな。
「お嬢はそんなに俺に勝ちたいんですか?」