幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


 まず私たちが向かったのはジェットコースター。ベリーズランドは室内遊園地だけど、ミニコースターがある。
 お子さま向けと思うかもしれないけど、パーク内をぐるりと一周する爽快感が最高なのだ!


「きゃ〜〜!!楽し〜〜!!」
「意外に速いですわ!」
「子ども向けとナメてましたね」


 怖がるかと思ったけど、那桜は涼しい顔をしていた。あわよくば引きつった顔が見られると思ったのに。


「オラァ!回しまくってやる!!」
「ぬるいですね、お嬢。その程度ですか?」


 コーヒーカップではこれでもか!ってくらいぶん回す。すると那桜も思いっきり強く回した。
 因みに八重は「絶対に乗りたくない」と外から見学していた。

 危うくハンドルが壊れそうになり、スタッフさんに怒られた。
 なのに那桜は顔色一つ変えない。これだけ回して少しはふらついたりしないの?


「八重!イチゴちゃんぬいぐるみ取ったよ!」
「八重姫、俺も取りました。お嬢のより大きいですよ」
「まあ……すごいですね(棒読み)」


 アーケードゲームコーナーでは、クレーンゲームでベリーズランドのマスコット・イチゴちゃんぬいぐるみをGETした。
 私のより大きいイチゴちゃんをしれっとGETしてる那桜がムカつく。


「大きさじゃないから!私のイチゴちゃんのがかわいいから!」
「確かにかわいいですね。お嬢に似てアホっぽい顔で」
「誰がアホだ!!」
「……そんなに張り合って疲れませんこと?」


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