幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。

6.心の真ん中

　それから何だかんだで那桜と二人でベリーズランドを楽しんでいる。
　八重が先に帰ってしまったので、今はお土産を見ていた。


「ねぇ那桜、八重へのお土産ワッフルとチーズケーキどっちがいいと思う？」


　八重は生粋の大和撫子だけど、スイーツは圧倒的洋菓子派なんだよね。そこ和菓子じゃないんかい、っていう。


「八重姫といえばこれでしょう」


　そう言って那桜が見せたのは、マドレーヌだった。


「マドレーヌなら八重自分で作れるよ」
「それはワッフルもチーズケーキも言えることでしょう」
「絶対こっちのが好きだからっ」
「いえ断固マドレーヌですね」


　こいつ、私より八重のこと知ってる風な口聞きやがって……！！


「じゃあ私はチーズケーキにする！どっちが八重のハートをより掴むか勝負よ！」

「臨むところです」


　お土産でさえ勝負をする私たちを見たら、多分八重は心底呆れると思う。


「あ、そうだ。桜花組のみんなにも買って行かなきゃ」


　うちの連中は人数が多い上にバカみたく食べるからなぁ。質より量が大事なので、とにかく大容量のえびせんとかチョコレートとか色々買った。


「買いすぎじゃないですか？」
「えー、これでも足りるかどうかなんだけど」
「桜花組は飢えた猛獣だらけなんですか？」
「うるさいな」