幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


 やっぱりベリーズランドはみんなのものじゃないと。その日を楽しみにしているゲストがいるのだとしたら、その大事な1日を私たちが独占したら不公平だと思う。


「今更かもしれないけど、貸し切りやめて普通に楽しもうよ」
「……200回も行ってるなら1日くらい我慢すればいいのに」
「そんなこと言わない!」


 こうして中途半端な時間だけど、ベリーズランドの貸し切りを解除してもらった。
 ヤンキー二人組からはお詫びとお礼に、さっきの手持ちバルーンとイチゴちゃんのスペシャルシールもくれた。楽しそうにパーク内を見て回る姿に何だかほっこりした。

 その後、急にオープンしたとどこからか聞きつけた人たちがちらほらとやって来た。

 うん、やっぱり人がいたほうが賑やかな感じで楽しいかも。誰もいないベリーズランドも特別感あったけど。

 私たちは最後に夜のショーを見て帰ることにした。2階のバルコニーにショーを見るための特別席が用意されていて、そこから見ることができた。
 こういう手配を那桜はいつの間に行っているのだろう?

 ライトアップされたステージから、イチゴちゃんやダンサーさんたちが音楽に合わせてダンスをする。まるで童心に返れるような、キラキラとワクワクの詰まったショーだった。


「かわいい〜!」


 今までショーってちゃんと見たことなかったけど、こんなに楽しいんだ!
 めちゃくちゃ特等席で見られてハッピーだし、つい体が動いちゃう程楽しい!


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