幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。
悠生が確信をつくようなことを言うので、ドバッと冷や汗が出る。
「当たり前じゃん!!他にいる!?」
「お嬢、八重様以外に友達いませんもんね」
「いるわ!!」
まあ頻繁に連絡取って遊ぶのは八重しかいないけど。
「これでも昔よりは友達増えたんだからねっ」
昔はそれこそヤクザの娘って白い目で見られることが多かった。一緒に遊ぼうって言っても遠巻きにされたり、何もしてないのに極端に怖がられたり。
高校に入学してからかな。うちの高校はクラス替えがないおかげで、段々とみんなと打ち解けられるようになってきたんだよね。
「よかったっすね」
悠生は柔らかく微笑む。
「俺と出会ったばっかの頃、今日も話しかけられなかった〜って泣いて帰ってましたもんね」
「そんな昔の話引っ張り出さないでよっ」
「だから俺が練習相手にされて」
「……よく覚えてるじゃん」
「覚えてますよ。泣きながら帰って来るのにみんなと友達になるんだって、絶対諦めないお嬢が印象的だったんで」
悠生は私の頭をポンポン撫でた。
「泣き虫お嬢が成長したっすね」
「何急に兄ヅラしてんの?一個上のくせに」
「一個上でも俺のが上っす」
「年だけな!」