幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


 ああ、でもこの感じ懐かしいな。
 私の練習相手に嫌そうにしながら付き合ってくれた悠生。自分もまともに学校行ってないからわからないとか言い出すから、だったら一緒に頑張ろう!って学校に送り出したんだよね。

 ずっと不登校だった悠生が急に登校し始めたから、学校ではざわついてたって言ってたな。
 それから何だかんだ中学まではちゃんと卒業したんだよね。


「悠生、おかえり」


 私は悠生に向かって微笑む。
 すると悠生は私に向かって跪く。


「枝垂悠生、ただいま戻りました。この命、お嬢に捧げる所存です」

「やだなぁ、大阪でそんなの覚えたの?」

「似合うっすか?」

「似合ってないよ!ところで私に用だった?」

「女将さんがフルーツ切ってくれたんで呼びに来たっす」

「それ先に言ってよ!!なくなってるかもしれないじゃん!」


 バタバタと居間に戻るのが忙しない。
 でもこれが桜花組の日常なんだと思うと、平和だなぁなんて思ったりもする。


「……お嬢のことは俺が絶対に守る」

「悠生ー!!早く来ないとなくなるよ!」

「今行くっす」

「なんか言ってた?」

「何も?」

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