幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


* * *


 翌朝。


「お嬢〜!今朝はもう行かれるんですかい?」

「うん!今日は日直なんだ」


 日直の仕事があるので、いつもより早めの登校。悠生はまだ寝てたみたいだけど、昨日は遅くまでドンチャン騒ぎに付き合わされてたからもう少し寝かせてあげよう。

 職員室に行って先生から教室の鍵と日誌を受け取る。教室に入ったら黒板を綺麗にして、教室の花瓶の水を替える。
 日直の仕事って地味だけど、少しでもクラスが生活しやすくなると思うと大事だよね。


「鏡花ちゃん、おはよ〜」
「おはよう!」


 花瓶の水を替え終わったところで、ちらほら登校が早い子たちがやって来た。


「おはようございます」

「お、おはよう……」


 那桜の顔を見た途端、ズキュン!と何かが心臓を貫いたような気がして、思わず顔を背けてしまった。

 やばい、今の感じ悪かったかな?
 いやでもなんか那桜の顔見られない……!!

 だって那桜って、あんなにカッコよかったっけ!?!?

 なんかめっちゃキラキラして見えるんだけど、エフェクトかかってる!?


「あれー?今日は那桜くんと鏡花ちゃん、喧嘩しないんだね」
「いつも仲悪いのにね〜」


 クラスメイトたちの言葉にギクッとした。
 いやでも無理、なんか那桜の顔見ると動悸が激しいんだもん……っ!!


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