幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。
…………ん??
「……いやなんでそうなる?」
「俺は最初から結婚してって言ってるんだけど」
「いやでも現実的に無理じゃん。私まだ17だし」
女子も結婚できる年齢は18歳に引き上げられたからね。法律的に無理なんですけど。
「だから鏡花が18になったら入籍すればいいでしょう」
「いや結婚の前に色々あるでしょ!?まず付き合ってお互いのこと知って」
「今更何を知るんです?こっちは鏡花のほくろの数まで知ってるんですが」
「逆になんで知ってんのよ!!」
それはただただキモいけど、確かに今更お互いのこと知るとかはないな。なんだかんだで那桜とは幼馴染だし。
「お嬢の言いたいことはわかりますが、結婚なんて所詮は当人たちの意思の問題です。
余計なことは抜きにして、お嬢は俺と一緒にいたくないんですか?」
「それは……一緒にいたい、けど」
「じゃあ何の問題もないよな?」
那桜は私の左手を取り、手の甲にちゅっとキスを落とす。
「言っとくけど、俺独占欲強いので」
「うっ」
「もう絶対に逃がさないからな――鏡花」
こんな黒い笑顔にすらキュンとしてしまうダメな自分と、やっぱりこの男はやめた方がいいのでは?という冷や汗ダラダラな自分がせめぎ合っている。
とにかく私は、とんでもない男に捕まってしまったみたいです――。