幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。



――ちゅっ。


「え、」

「……かわい」

「っっ!?!?」


 な、なんちゅータイミングでちゅーしてんの!?!?

 今そんな流れだった!?


「ちょ……っ」

「あんまりかわいい顔してるとまた奪っちゃいますよ?」

「〜〜っ!!てゆーかここ外っ!!」

「あははっ」


 朝からこんなの心臓がもたない。
 誰かに見られたら……って思うのにキュンキュンして仕方ない。

 しかも那桜の無邪気で小悪魔な笑顔に、更にキュンキュンしちゃってる。

 ああもう、ダメだなぁ……。
 やっぱり那桜のことがどうしようもなく好き。

 学校に着かなきゃいいのに、って思っちゃう……。


* * *


「那桜くん!おはよ〜〜!」


 反射的にパッと手を離す。
 同じクラスの深山さんだった。


「おはようございます」


 そしてさりげなく離れる私。何となくだけど、深山さんには見られたくないというより、見られない方がいい気がする。

 それにしても深山さん、一応私もいるんだけど、完全にアウトオブ眼中だな……。
 まあ突っ込まれても困るからいいんですけどね……?


「ねぇ那桜くん、今日こそプリ撮らない?」
「めげないですねぇ、深山さん」
「だって〜、那桜くんが彼氏だったらいいんでしょ?」


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