幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。
9.秘密の交際
「――と、いうわけで。2週間桜花組の見習いとしてお世話になります、染井那桜と申します」
「はぁーーーー!?!?」
「なんでテメェがいるんだぁ!!」
「お嬢!!どーゆーことッスかぁ!?」
「ごめん、みんな……なんかそーゆーことになっちゃって……」
「お嬢ーー!!!!」
今日から夏休み。
初日早々から桜花組には大波乱が起きていた。
なんと、那桜が見習いとして2週間泊まり込みで修行することに。案の定組員たちは大荒れ。
私も今から胃が痛い。そもそもなんでこんなことになったのかというと……、
* * *
夏休み前の中間試験、もちろん今回こそは1位を狙っていた私だけど。
「……っ!!また2位……!!」
やっぱり2位から脱せずにいた……。
「あらら?また1位取っちゃいました」
「くやしーー!!」
付き合ってもやっぱりライバルはライバル!
むしろ今こそ1位に輝く時だと思ったのに……!!
やっぱり勝てないなんて……っ!!
「お嬢、悔しがってるところアレなんですが、またお嬢に勝った、というよりお嬢に勝ち続けてるご褒美欲しいんですけど」
「言い方が腹立つな」
「ご褒美というか、結構真面目なお願いなんですけど」
「お願い??」
「俺を桜花組で修行させてもらえませんか?」
――はい??