幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


 急な密着にめちゃくちゃドキドキする……!!
 ち、近いよ……!!


「お嬢!大丈夫っすか!?」


 慌てた様子で悠生が駆け寄ってきて、反射的に那桜から離れた。


「大丈夫!」

「すんません、俺がついていながら……」

「へーきだって!……ありがと、那桜」

「どういたしまして。お嬢を守るのも見習いの仕事ですから」

「っ!」

「それと、重いものは俺に任せてください」

「う、うん……」


 こんなことで喜んじゃう単純な私。
 あーーーー、ダメだ。悠生やみんながいる前なのに、キュンキュンしてにやけちゃう。

 すごく意外だったけど、那桜は黙々とゴミ拾いをしていた。重いものでも軽々運んじゃうし。
 ジャージ姿なのにめっちゃカッコいいし。何なら汗かいてる姿ですら色気がある。

 桜花の連中なんて汗だくで男臭さ全開なのに、なんで那桜はあんなに爽やかなの!?


「イケメンのお兄さん、若いのによく働いて偉いわねぇ」
「お水ちゃんと飲んでる?」
「ありがとうございます」


 なんかおばさまたちにもモテてるし!!
 てか何気に那桜ってコミュ力高いんだよな……。普段から大人に囲まれてるからなのか、年上とも気兼ねなく話せるし。


「えーっ!君、高校生なの〜!?」
「めっちゃ大人っぽいね〜!!」
「うちら大学のボランティアサークルで来てるんだぁ」


 ……って、いつの間にか女子大生グループに囲まれてるーー!?


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