幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。
でもほんと、那桜ってすごいな……。
この数日間でめちゃくちゃ感じさせられてる。
家事や雑用でさえ完璧なんて。こいつできないことないの??
「あ、お嬢。夕飯はもう少しでできますので」
「あ、そう」
料理もできるんかい!!しかもめっちゃ美味しそう!!
「……一人で作ってるの?」
「はい。他の皆さんは組のお仕事で出られていますので」
あくまで那桜は見習いとして来ているので、組に関する大きな仕事には携わっていない。
てゆーか染井の若頭が関わると色々めんどくさいことになるし。
「わ、私も手伝うよ」
「大丈夫ですよ」
「うちの連中、みんな食べるし。一人で作るの大変でしょ?二人でやれば早く終わるよ」
そう言って私もエプロンを締めた。
「こう見えて私も料理はそこそこできるんだからね」
腕まくりをして、手を洗おうとしたら――
「ちょっと!?」
後ろから那桜に抱きしめられた。
「誰かに見られたらどうするの!?」
「いませんよ。みんな出払ってます」
「でも……っ」
「こうして二人でキッチンに立ってると、新婚みたいですね」
「〜〜っっ」
一気にボボボッ!と頬が熱くなる。
「いいから早くやろっ!」
今絶対耳まで真っ赤だ……。