スイートルーム


そう思った瞬間。



――パシンッ!!



渇いた大きな音とともに、彼は、彼女から力強い平手打ちをくらった。



「うわぁ、三組目」



隣で理恵子が、まるで自分が殴られたかのような顔をして呟く。



突然の出来事。

それまでざわついていたフロント前が急に静かになり、周囲の人の注目を一斉に浴びる二人。



そんな周囲のことなんかおかまいなしに、彼女は大きな声で言い放ったんだ。


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