スイートルーム


あたしが破ってしまった、ホテルの鉄則。



一般のお客様と個人的な付き合いをしないこと。



でも、相手がVIPクラスになると、この鉄則は適用外になる。

『大物の御機嫌を損ねるな』って言わんばかりの、会社の勝手な都合。



彼はどう見ても、一般のお客様。

今日のVIPリストのどこを探したって、彼の名前は見つからない。



彼は、今日限定の友達。

そういうことで話を合わせてもらおう……。




「……なにしてんの?」


「――っ!!」


< 34 / 94 >

この作品をシェア

pagetop