スイートルーム


忘れるわけがない。


あんな派手な別れ方をしたんだから。

彼のチェックインを受けたのは、市来くん、この人なんだから。



――あぁ、もう、バレた。




「どうも、チェックインの時はお騒がせしました」



絶望的になっているあたしに助け舟を出したのは、彼だった。



「実は俺、笹木さんの幼なじみなんです」



――はいいいいっ!?



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