スイートルーム
――翌朝。
あたしは二日酔いに苦しみながら、早番勤務にのぞんだ。
朝食の時間帯。
ラフな格好で、朝食会場に向かうお客様。
カップルの数は驚くほどに少ない。
ほとんどのカップルが、昨日の余韻に浸りたくて、朝食をルームサービスにしているからだ。
ロビーに立って、お客様に朝のご挨拶。
朝食会場を案内したり、バスの出発時間を案内したり。
そんな業務に追われながらも、あたしの瞳は次郎の姿を探している――。