スイートルーム


「……『俺が無理』って、言っただろ?」



通り過ぎる間際。

次郎が小さな声でボソリと呟く。



……えっ……?



意味がよく分からなくて。

あたしは次郎に答えを求めようとしたけれど……。


次郎はあたしの方なんか見向きもせずに、朝食会場へと真っ直ぐに歩いて行った。




それから朝食時間が終了して。

ほどなくすると、チェックアウトのラッシュが始まる。


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