神託で決められた結婚相手が四十路間際の中年伯爵さまでした。とても気が合って良い方なのですが、私も彼も結婚する気はありません。
マルガレタは拒絶する
02.
「当然、断固拒否しますわ!」
ルルサス王国の伯爵令嬢マルガレタは、悲鳴に近い声をあげた。
その日、彼女の屋敷には、巫女からの手紙と教会からの招集状が届けられていた。
巫女からの手紙には、マルガレタともう一人の男性の名が記されていた。
つまりそれはマルガレタと結ばれるべき男の名。
巫女は神託でマルガレタの名を受け、彼女とその男性とを引き合わせようとしたのだ。
教会からの招集状には、相手と顔合わせのため、大聖堂へ参堂せよとの記載があった。
神託の巫女がルルサスに入国したことを受け、同国の国教会は彼女への支援を表明し、神託の対象者たちに招集状を送ったのである。